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状況から進めるガイド

実家の片付け、捨ててはいけない書類と、捨てる前に確認すること。

片づけは、捨てる前の確認で手間が大きく変わります。何を残すか、誰が決めるか、業者に頼む前に何を確かめるかを順番にまとめました。

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先に結論

STEP 01

最初の1日は、この3つだけ

初日は捨てずに、あとで必要になるものを守ります。

  1. 書類を1つの箱に集める通帳、権利証、保険証券、納税通知書など。仕分けはあとで構いません
  2. 残したい物に付箋を貼るまだ動かさず、家族が見て分かるようにします
  3. 部屋ごとに写真を撮るどこに何があったかは、片づけたあとでは確かめられません

捨てるのは2日目以降で間に合います。遠方で何度も通えないなら、先に帰省前に確認することを見ておくと、現地の時間を片づけに回せます。

STEP 02

捨てないほうがいい紙

名義を調べるときも、売るときも、そのまま使う書類です。

  • 権利証・登記識別情報通知名義の確認、売却や相続登記の手続き
  • 固定資産税の納税通知書地番・家屋番号、評価額、毎年の税金が分かる
  • 買ったときの売買契約書・領収書売ったときの税金の計算(取得費)に使う
  • 増改築・リフォームの契約書取得費に含められる費用の確認に使う
  • 測量図・境界確認書土地の広さと境界。売る前に必要になることが多い
  • 火災保険の証券空き家になったあとの契約条件の確認
  • 通帳・年金証書・確定申告の控え相続の手続きや、亡くなった年の申告に使う

買ったときの契約書は、特に残す取得費が分からないと、売った金額の5%を取得費とする計算になり、実際より税金が増えることがあります(国税庁 No.3252・No.3258)。

相続した家を売ったときの税金取得費と、3,000万円の特別控除

見分け方

その紙が何の書類か、見分けるところ

書類の名前を知らなくても、表紙や欄の言葉で見分けられます。

下は、実家の片づけで出てくることが多い4種類です。様式は作られた年代・自治体・会社によって違うので、「どこを見るか」を手がかりにしてください。実物の写しはここには載せていません。

  • 権利証・登記識別情報通知

    見るところ:古いものは、登記所の「登記済」の印が押された書面(登記済証)。新しいものは「登記識別情報通知」と書かれたA4の紙で、12桁の符号の部分に目隠しシールが貼られています
    使う場面:名義人が売るときの本人確認
    見当たらないとき:再発行はできません。ただし、それだけで売れなくなるわけではなく、法務局からの通知や、司法書士などが作る本人確認情報で手続きできます
    注意:シールははがさず、写真にも撮らないでください

  • 固定資産税の納税通知書・課税明細書

    見るところ:市区町村(東京23区は都税事務所)から毎年春ごろ届く封書。中の明細に、土地の所在・地番、家屋番号、面積、評価額などが並んでいます
    使う場面:登記事項証明書を取るときの地番・家屋番号の確認、毎年の費用の確認
    見当たらないとき:実家のある市区町村の固定資産税の窓口で、評価証明書などの取り方を確認します

  • 買ったときの売買契約書・領収書

    見るところ:「不動産売買契約書」の表題、売主・買主の名前、売買代金、契約日。重要事項説明書と一緒に綴じてあることがあります
    使う場面:売ったときの税金を計算する「取得費」
    見当たらないとき:取得費が分からないと、売った金額の5%で計算することになり、税金が増えることがあります。通帳の記録なども含めて、捨てる前に探します

  • 測量図・境界確認書

    見るところ:土地の形と辺の長さが描かれた図面(「地積測量図」「確定測量図」など)。境界確認書は、隣の土地の持ち主の署名や押印がある書面です
    使う場面:売る前の境界の確認や、面積の確認
    見当たらないとき:法務局に図面が備え付けられていれば、写しを窓口・郵送・オンラインで請求できます。すべての土地にあるとは限りません

判断できない紙は、3つに分けて保管する(印刷して使えます)

分け方入れる物保管した場所
残す上の4種類、通帳、保険証券、確定申告の控え
家族に確認誰の物か分からない契約書、手紙、写真
処分は保留何の書類か分からない紙。捨てる前に家族か専門家に見せる

保管した場所は、家族で整理する1枚シートの「手元の資料」の欄にも書いておくと、家族と共有できます。書類が法的にどんな意味を持つかは、ここでは判定できません。売却や登記に使う前に、担当の司法書士・不動産会社に確認してください。

STEP 03

誰が処分を決められるかを確認する

遺産分割が済むまでは、1人の判断で処分しないほうが安全です。

家の中の物を一度に処分する前に、誰の品か、誰が処分を決められるかを家族で確認します。

相続放棄を考えているなら、先に片づけない相続財産を処分すると単純承認とみなされ、原則として相続放棄ができなくなります(民法第921条)。放棄の期限は、原則として相続の開始を知った日から3か月です(期限カレンダー)。

家族で話す準備希望と事実を分けて整理する

STEP 04

売るつもりなら、片づけの前に確認すること

片づけを全部終えてから売りに出す、とは限りません。

  • 家財を残したまま引き渡せるかは、売り方や相手によって違います。業者を決める前に、不動産会社に確認しておくと二重に費用をかけずに済みます。
  • 相続した空き家を売ったときの3,000万円特別控除には、売る期限があります。片づけの時間も含めて考えます。
  • 家を取り壊すかどうかも、控除の条件に関わります。解体の前に条件を確認します。

STEP 05

業者に頼む前に確かめること

家庭のごみを回収するには、市町村の許可か、市町村の委託が必要です。

頼める

市町村の一般廃棄物収集運搬業の許可がある、または市町村から委託を受けている業者

それだけでは不十分

「産業廃棄物」の許可や「古物商」の許可しかない業者(環境省)

  • 許可のない業者は、不法投棄や、あとからの高額請求につながることがあります。
  • 許可を持つ業者は、実家のある市町村の窓口やホームページで確認できます。
  • 見積もりは、作業の範囲(どの部屋か、何を残すか)をそろえて、複数の業者から取ります。
  • テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機は、家電リサイクル法の対象で、出し方が別です。

STEP 06

値段の分からない品が出てきたら

判断できない品は、捨てずに「保留」の箱へ。

絵画・掛け軸・茶道具など、値段や真贋が分からない品は、不用品とまとめて処分する前に確認する方法があります。当サイトでは、品物の価値や買取の対象になるかは判定できません。

絵画・掛け軸・骨董品が出てきたら撮っておく5枚、出張買取の注意 手元の資料と保管場所を書き出す家族で整理する1枚シート

出典:国税庁 No.3252 取得費となるもの/国税庁 No.3258 取得費が分からないとき/国税庁 No.3306/e-Gov法令検索「民法」第921条/環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください」/法務局「登記識別情報って何?」/法務局「登記済証(権利証)を紛失したのですが、どうしたらよいのですか?」/法務局「地図証明書又は図面証明書の交付を請求するには」/総務省「固定資産税の概要」