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状況から進めるガイド

実家から掛け軸・絵画・骨董品・刀が出てきたら。処分する前に確認すること

押し入れや床の間、蔵から、値段の見当がつかない掛け軸や絵、茶道具、刀が出てきたときに。不用品と一緒に出してしまう前に、確認したいことを順番にまとめました。

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先に結論

STEP 01

まず、捨てずに5枚だけ撮っておく

処分したあとで「あれは何だったのか」と聞かれても、確かめようがありません。

  1. 作品の全体額縁や軸ごと、正面から
  2. 落款やサインの部分寄って撮る
  3. 裏側シールや書き込みが手がかりになります
  4. 箱・箱書き・鑑定書付属品はまとめて
  5. 置かれていた場所どの部屋のどこにあったか

箱と中身が別々の場所から出てくることもあります。箱だけでも捨てずに、作品のそばにまとめておきます。

STEP 02

誰の品で、誰が処分を決められるかを確かめる

遺産分割が済むまで、家財は相続人全員のものとして扱うのが基本です。

1人の判断で売ると、あとで家族ともめる原因になります。売るかどうかを決める前に、家族に写真を見せて確認します。

相続放棄を考えているなら、売らない・捨てない相続財産を処分すると単純承認とみなされ、原則として相続放棄ができなくなります(民法第921条)。放棄の期限は、原則として相続の開始を知った日から3か月です(期限カレンダー)。

STEP 03

品物によって、相談先を分ける

「美術品の買取」と「家財の片づけ」は、別のサービスです。

  • 作家名が分かる、箱や鑑定書が残っている

    美術品を扱う専門店に、写真で見てもらう

    写真で査定 →
  • 大量の食器や家具で、値段の見当がつかない

    片づけの見積もりとは分けて考える

    片づけの確認 →
  • 遺産分割の前で、誰の物か決まっていない

    いまは申し込む段階ではない。先に家族で話す

    家族で話す準備 →

STEP 04

相続税の申告が必要な家では、美術品も財産に入る

「たぶん価値はない」と思い込んで先に処分すると、評価の根拠が残りません。

相続税の申告が必要な場合、書画骨とう品も財産として評価します。販売業者以外が持っていたものは、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価するとされています(国税庁 財産評価基本通達135)。

STEP 01の写真は、ここでも役に立ちます。申告が必要か、どう評価するかは、税務署や税理士に確認してください。

刀・古い銃

刀や古い銃が出てきたら、まず登録証を探す

刀剣類は、登録証がないと持っていることができません。売ることも、ほかの家財と一緒に処分することもできません。

登録証がある

相続などで持ち主が変わったら、新しい持ち主は20日以内に、その刀を登録した都道府県の教育委員会へ届け出ます(郵送や電子申請で届け出られる例あり)。登録証は刀と一緒に保管します

登録証がない

見つかった地域の警察署に発見の届出をすると「発見届出済証」が交付されます。そのあと都道府県の教育委員会の審査で、登録できるかが決まります

  • 登録の審査には手数料がかかります(東京都は1振6,300円。審査の結果、登録できなくても返金されません)。金額や審査日は都道府県ごとに確認します。
  • 登録できなかった刀は、原則として持つことができません。東京都の案内では、警察署に届け出れば無料で廃棄の手続きができ、鞘や柄は取り外して持ち帰れます。
  • 登録証だけを譲ったり、書き換えたりすることは違法です。
  • 届出の前に、刀を持ち歩いたり、買取業者に渡したりしないでください。まず警察署に連絡して、指示に従います。

上の流れと金額は、東京都教育委員会の案内をもとにしています。発見した場所・住んでいる場所の警察署と教育委員会に、手順を確認してください。

鑑定書

鑑定書を取れるのは、作家が決まった作品だけ

「鑑定に出せば価値が分かる」とは限りません。公的な鑑定機関は、鑑定する作家を決めています。

たとえば一般財団法人 東美鑑定評価機構(東京美術倶楽部鑑定委員会を引き継いだ機関)は、日本画・洋画・工芸の対象作家の一覧を公開しています。一覧にない作家の作品は、ここでは鑑定を受けられません。

  • 費用鑑定料は1点1万〜5万円。真作と鑑定された場合だけ、鑑定証書費(日本画・洋画3万円、工芸1万円)がかかる
  • 受付電話で予約し、東京の受付に作品を持ち込む。作品は持ち込み・直接引取りのみ
  • 工芸原則として、作家が箱書きをした共箱のある作品のみ
  • 結果鑑定証書を出せるかどうかだけが伝えられ、出せない理由は答えない

作家名が分からない、または一覧にない作品は、STEP 06のように美術品の買取店に写真で見てもらうのが現実的です。箱書きや落款の写真(STEP 01)があると、作家の手がかりになります。当サイトでは、作品の作家や真贋は判断できません。

STEP 05

出張買取(訪問購入)の注意

突然訪ねてきた業者に、その場で渡さないでください。

  • クーリング・オフ法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内は、原則として契約をやめられる
  • 引き渡しの拒否その8日の間は、品物を渡すのを断れる
  • 勧誘の禁止依頼していない人に、自宅などで買取を勧誘してはいけない。査定だけ頼んだのに、ほかの品まで勧めるのも問題
  • 例外品物によっては、この規制の対象外になるものがある

査定額と書面の内容は、家族と確認してから決めます。

STEP 06

写真で査定を頼む

STEP 01の写真があれば、家から持ち出さずに見てもらえます。

当サイトでは、品物の価値や真贋、買取の対象になるかどうかは判断できません。

この相談が向いていないケース

  • 誰の品か、誰が処分を決められるかがまだ分からない。先に家族で確認してください。
  • 相続放棄を考えている(STEP 02)。
  • 家財の片づけそのものを頼みたい(片づけの確認)。
  • 申し込めるのは18歳以上の方です。

出典:e-Gov法令検索「民法」第921条/国税庁 財産評価基本通達135(書画骨とう品の評価)/消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問購入」/裁判所「相続の放棄の申述」/東京都教育委員会「銃砲刀剣類を発見したとき」/東京都教育委員会「所有者変更や住所変更・貸付保管委託の手続」/東美鑑定評価機構「鑑定対象作家・鑑定料一覧」/東美鑑定評価機構「鑑定委員会について」