調査
古い実家は、大手仲介の無料サービスの対象外になりやすい
4社の公式条件を調べました
4社の
大手の不動産会社は、売主向けに建物の検査や補修、清掃、測量などのサービスを用意しています。ただ、その多くには築年数や査定価格の条件があります。実家を売るときに当てはまるのかを、4社の公式サイトで確かめました。
確認日・公開日:分かったこと
- 三井のリハウス・住友不動産ステップ・野村の仲介+は、一戸建ての建物補修などに「築30年以内」の条件を付けている
- 国土交通省の調査では、相続した空き家の7割超が1980年以前の建築。2026年時点で築45年を超え、この条件に当てはまらない
- 住友不動産ステップの清掃・測量・建物調査は査定価格1,500万円以上が条件。清掃は古家付き土地が対象外
- 古い家で使われることがある「契約不適合責任の免責」で売る場合、三井のリハウスと住友不動産ステップの補修サポートは対象外
「使えない」と決まるわけではありません。条件は会社・時期・物件で変わります。この記事は、会社を選ぶ前に確認するための材料です。
背景
なぜ調べたか
「大手は無料サービスが充実している」という説明を、よく見かけます。
査定を頼む会社を選ぶとき、清掃や建物の検査、引渡し後の補修を会社が負担してくれるかは、比べる材料の一つになります。ところが、遠方の実家を売るときの依頼先を12社比べたとき、無料サービスの条件に築年数や査定価格が並んでいることに気づきました。そこで、売主向けの補修・清掃・測量のサービスを持つ大手仲介4社について、条件をまとめて確認しました。
調査結果
4社のサービスと条件
太字が、古い実家で引っかかりやすい条件です。
三井のリハウス
住友不動産ステップ
- サービス
- 建物補修(引渡し後2年間、上限あり)
- 条件
- 築30年以内の一戸建て・マンションで、自己居住用に限る。媒介中3か月以上の空家、賃貸中、別荘・セカンドハウス、契約不適合責任免責の物件は対象外
公式ページ - サービス
- 住まいの健康度チェック(建物状況調査を当社負担で実施)
- 条件
- 築30年以内の一戸建て(専用住宅)。当社査定価格1,500万円以上。専任または専属専任の媒介契約。契約不適合責任免責の物件は除く
公式ページ - サービス
- 宅地測量(仮測量)
- 条件
- 当社査定価格1,500万円以上。専任または専属専任の媒介契約。営業担当の調査で仮測量が必要と判断した物件。売買が決まったあと確定測量が必要になれば、その費用は売主の負担
公式ページ - サービス
- 戸建クリーン(室内清掃または庭木の手入れ)
- 条件
- 当社査定価格1,500万円以上。専任または専属専任の媒介契約。古家付き土地と、契約不適合責任免責の物件は対象外
公式ページ
野村の仲介+
東急リバブル
どのサービスも、その会社と媒介契約を結び、所定の仲介手数料を払う売主が対象です。ほかにも対象エリア・物件の種類などの条件があります。詳しくは各社の公式ページを確認してください。
実家に当てはめると
相続した空き家は、多くが築30年を超えている
国土交通省の調査では、相続した空き家の7割超が1980年以前に建てられています。
国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査」の結果のポイントは、空き家の約6割が相続したもので、相続した空き家の7割超が1980年以前に建築された住宅だとしています。1980年に建った家は、2026年には築46年です。
築30年以内
2026年時点では、おおむね1996年以降に建った家。媒介契約の時点で数えるため、売り出しが遅れると外れることがある
1980年以前の家
築45年を超える。三井・住友・野村の一戸建ての建物補修の条件には当てはまらない
もう一つは、売り方の条件です。古い家は、引渡し後の雨漏りやシロアリなどの責任(契約不適合責任)を売主が負わない「免責」の条件で売ることが検討される場合があります。三井のリハウスと住友不動産ステップは、免責の売買を補修サポートの対象外と明記しています。免責で売るかどうかは、価格や買主との交渉で決まることなので、査定のときに担当者と相談してください。
空き家であること自体を条件にしている例もありました。住友不動産ステップの建物補修は「媒介中3ヶ月以上の空家」を対象外にしています。
どうするか
会社を選ぶ前にすること
無料サービスは「使えたら得」と考え、費用は自分で持つ前提で見積もります。
- 築年数を確かめる固定資産税の課税明細書や登記事項証明書で、建物の建築年を確認します(書類の見分け方)
- 査定のときに、対象になるかを聞く「この家は、御社の無料サービスの対象になりますか。築年数・査定価格・媒介契約の種類のどれで変わりますか」
- 対象外なら、費用を別に見積もる清掃・片付け、測量、建物の検査を自分で頼むといくらかかるかを、売却の手取りと並べます
- 無料サービスだけで会社を選ばない媒介契約の種類(専任・一般)や、遠方への対応(鍵・契約・決済)も含めて比べます(依頼先比較)
古い家は、仲介ではなく買取を選ぶ方法もあります。依頼先比較で調べた買取の会社は、家財を残したままでも相談できると案内していました。一方で、価格は仲介より低くなることが一般的です。違いは仲介・買取・一括査定の違いにまとめています。
調べ方
調査の方法と限界
- 対象:全国に店舗網がある大手仲介のうち、売主向けの建物・設備の補修や清掃・測量のサービスを公式サイトで案内している4社。
- 確認日:2026年9月29日。各社の公式ページを直接開き、サービスごとの対象物件・対象者・媒介条件の記載を読みました。
- 各社への問い合わせはしていません。店舗・物件によって扱いが違う場合や、ページに書かれていない条件がある場合があります。
- 各社のサービスの良し悪しや、どの会社がよいかを評価するものではありません。
- 築年数の計算は、2026年を基準にした目安です。
引用について
この調査を使うときは
この調査結果は、出典として「実家じまい資料室『古い実家は、大手仲介の無料サービスの対象外になりやすい』(2026年9月29日確認)」とこのページのURLを示していただければ、引用・紹介いただけます。各社の条件は変わることがあるため、確認日も合わせて記載してください。内容の誤りや条件の変更に気づいた方は、運営・編集方針の連絡先からお知らせください。
次に
関連するページ
出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査 結果のポイント」/三井のリハウス「建物補修」/三井のリハウス「設備修理」/住友不動産ステップ「建物補修」/住友不動産ステップ「住まいの健康度チェック」/住友不動産ステップ「宅地測量」/住友不動産ステップ「戸建クリーン」/野村の仲介+「あんしん建物補修」/野村の仲介+「あんしん設備補修」/東急リバブル「建物保証」/東急リバブル「住宅設備保証」
